未曽有の採用難時代で求められる企業の姿勢
2024.04.05
今は、採用にお金とパワーがかかりすぎる時代です。未曽有の学生側の売り手市場に人材難。
さらに、採用したい企業側が「何をやっていいのか」非常にわかりにくい時代でもあります
自社で採用サイトを作っても、リクナビにマイナビ高額を支払って登録しても、ウォンテッドリーで詳細な社員の姿を明示しても、うまくいったりいかなかったりと、まったく正解がわからない時代です。
さらに、せっかくとった人材も、「なんかちがう」という、著しく言語化しにくい理由で数か月で退職なんてこともざら。一度に数十万もかかるサイト掲載を、年に何回している企業さんが、そこかしこに見受けられます。
さらに
SDGsの視点と取り組みをもっていない会社は、学生が未来を感じないと判断します
とか
理念とビジョンと会社の事業内容の一致こそが、学生が今求めているものですとか
いかにも正解のような、売り文句で企業の体質や姿勢を改善するサービス、コンサルが繁盛していたりします
何が正解かといえば、全部正解です。
大企業はマンパワーも資金力もあるから、全部やっています
採用サイトには軽く数百万円を投資し、キャリアサイトには最高のプランで露出アップ、SDGsの取り組みは採用のみならず死活問題になりつつあるのでしっかり取り組み効果的にPR、理念やビジョン経営も取り入れ、働き方改革にもしっかり着手。
当然ながら、学生はそちら側に吸い寄せられていくのは自明です。
ならば、そこまでのパワーやコストがない中小企業はどうすればいいのか?
それは、定着率アップしかありません。
しかしこの定着率アップの方法も、またごまんとあり正解がわかりにくいものではあります。
そのなかで、ひとつだけコストもパワーも大してかけずにできる方策があります。
タスクで従業員のマインドをアップさせる
最近の事例で、社内報を手掛けている会社が、新人の半数を社内報制作にアサインさせたところ・・・
その会社は毎年20人前後の新卒を採る会社なのですが、アサインされなかった10人は5年後に9人が退職していました。アサインされた10人のうち退職者は1人(結婚退職の女性)、さらに4人は会社の期待のホープとして目される人財に成長を遂げていました。
社内報制作にアサインさせることに意味があったのです。
社内報制作は、普段の業務からちょっと離れて、会社全体を見る体験になります。
・自社の社会的な貢献性って何か?
・他社との差別化ってどこ?
・お客様が一番喜んでくれてるところって何?
・企業理念の指す意味ってどういうこと?
こういうことを、タスクとして考える機会になるのです。タスクとは自分事。こういう機会を若い時に与えることで、自社をすきになり責任を感じるようになるのです。
企業外の第三者が見るメディアにするということも大事です。
理解したことを訴求させるのも、同様にタスク。これをこなすことで、自分自身が会社のスポークスマンになれるのです。
自社のことを発信するメディアを作る、その際に効果的にタスクを与えることで、ロイヤリティ向上を図れるのです。
メディア制作をするついでに社員のマインドを上げる会社の相談フォーム
この制作会社と依頼企業はこの結果に味を占め、意図的に制作会議の時間を増やし、アサインされた新人や若手スタッフに、会社のことを効果的に考える時間を与え並走するビジネスを始めました。
結果、朝礼で社長に理念についてナチュラルに質問する若手が現れ、それに引っ張られて社員全体が理念や社風について考えるようになったといいます。
これが正解! という話ではないのですが、素材や工夫次第で、手段はいくらでも目の前に転がっているのだと思います。
この記事を書いた人
(NCL)高橋健
株式会社コミュニケーションズ・イン 代表取締役。雑誌編集、書籍編集から社内報編集者に転身し18年社内報を作り続ける。「読まれない社内報はゴミを刷ってるのと同じ!」という過激なポリシーのもの、徹底した読者目線重視の社内報制作を提案・実践し、一部の企業社内報担当からは面白がられ、一部の企業社内報担当からは煙たがられる。社内コミュニケーション改善にも乗り出し、研修、SNS戦略提案と運用にも乗り出している。「役に立とうとしている会社と人の役に立ちたい!」がモットー。