餃子の王将に見る、ニューノーマルな社会に遍在するアブノーマルなシーン
2022.06.05
10年は経ってないくらいの昔、私もこよなく愛する餃子の王将の研修が話題になったことがあります。ググると今でも動画がでてくると思います。
超こわもての部長さんか何かが、ひたすら新人を怒鳴りつけ、全否定する・・・
新人は、大声を出し続けさせられ、思考停止状態になり、最後はその部長とハグして号泣。
かなりハードめの自己啓発セミナーのエンディングみたいなシーンを見せられドン引きしつつも
まあよくある話なんだろうな、と当時は思った記憶があります。
もし今それが流れたら、その時よりも比べることができないほど、大きなニュースになってるのではないでしょうか?
セクハラパワハラマタハラモラハラアルハラスモハラ ハラハラしっぱなし・・・。
そのくらい、この数年でのコンプライアンスの厳正化は進んでいるわけです。
でもそもそもなんで、こんな研修がまかり通っていたのか?
それはつまり、経営的に有効ってことに尽きるのだと思います。
なぜこんなパワハラ系研修が全盛だったのか?
こうしたパワハラ系の研修、別に珍しいものでもなんでもありません
企業としては、それまで学生だった若者を社会人としてきっちり教育するために
多少の厳しさは当たり前だよね、と考えるのは自然なことでした
理由は察しもつきますよね
外食産業は就活生からは不人気
優秀な人材はなかなか集まりにくい職種です。
そのなかで、入ってきた若者を、いわゆる役に立つ人財に変えて、
マネジャーなり店長なりエリア統括なりと育てていくには、こうした洗脳的な研修は有効なのでしょう
でも・・でもですね、他にやり方があるように思えます
だって、長続きするわけがないんですよね
ショックと全否定とスーパーハードなタスクを無理やり課して
思考停止状態にまでして、
最後に「死ぬ気でがんばりますっ!!!!」
と涙ながらに宣言させても、そんなものに価値はないと断言します
だって、幸せにはとても見えないから
そんな状態では、離職率は高どまりでしょうし、社内風土も健全なわけがない
パワーで押さえつけた側は、より強いパワーで押さえ続けなければならない
そんな意外と当たり前?だったかもしれない昭和の香りのする研修、社内風土は
これから絶滅に向かっていくことは間違いないでしょう
(いやいや、うちはまだまだ、パワー&ショウワーだといえば、コメントくださいませ(笑)
調査します!
ニューノーマル時代の研修
技能や知識を詰め込むのではない、
マインドセットに関わるような新人研修ならば
「やります! がんばります!!」
って言葉を、ちゃんと心から言えるようなものであるべきです
結果として、そういう研修をする道しかなくなっている、という言い換えも存在しますね
なぜなら、ハラスメントの疑いのある研修などをすれば、あっという間にsnsで
それこそ、「秒」で世の中に広まるリスクがあるからです
だからこそ、相互理解、理念浸透、企業の社会的価値、キャリアビジョンなどなど
就業者一人一人が、なぜこの会社に所属し、何のために働き、どのような社会貢献をして
どういう自分になるためにいるのか? そんな物心両面の充実を整えていく時代が
ニューノーマル時代の企業風土、企業研修なのです
あたらしい王将の姿がサービスに見える
私は、企業がもっとも重視すべき指標は離職率だと思っています
極論すれば、人材紹介会社の出番などなくばればいいと思っています
各企業が物心両面に従業員を満足させることができていれば、人は早々辞めません
そういう企業にシフトするほうが、恐怖の研修などをやるよりはるかに理にかなっています
ましてや、みんな大好き餃子の王将
あれほどまでに社会的に価値のあるサービスを提供している会社なら
そういう思いをもって仕事をする人材育成は、正攻法でできると思うんです
ちょっと前、ジョブチューンだったと思うんですが、餃子の王将が取り上げられていました
中華の達人たちが、各メニューを評価していく番組内容で、思わず店に駆け出したくなるほど
堂々たる評価を受けていました
そしてそこにでていた社員さんの、王将への愛が、痛いほど感動的なほど伝わりました!
きっと、この数年で、餃子の王将の社内に、何か大きな変化があったんだと思います
はっきりいって、めちゃくちゃ取材したいです
その人的リソースへの考え方の変化を
ニューノーマルコミュニケーションのすべてが詰まってるかもしれないその変容を
そろそろ冷やし中華の季節です
王将の冷やし中華、最高です
この記事を書いた人
(NCL)高橋健
株式会社コミュニケーションズ・イン 代表取締役。雑誌編集、書籍編集から社内報編集者に転身し18年社内報を作り続ける。「読まれない社内報はゴミを刷ってるのと同じ!」という過激なポリシーのもの、徹底した読者目線重視の社内報制作を提案・実践し、一部の企業社内報担当からは面白がられ、一部の企業社内報担当からは煙たがられる。社内コミュニケーション改善にも乗り出し、研修、SNS戦略提案と運用にも乗り出している。「役に立とうとしている会社と人の役に立ちたい!」がモットー。