アンコンシャスバイアスとは何か?
2023.03.28
書評紹介
執筆者yamatoの尊敬する出版プロデューサーが作られたというご縁で、とても楽しみに手に取りました一冊です。
読者の皆様は、アンコンシャス・バイアス、という言葉を耳にしたことはありますか?
一言でいうと、それは“無意識の思い込み”のことです。
心理学の超巨人であるフロイトの言葉をご紹介します。
「人間は、理性的な存在ではなく、自分で意識していない過去の経験によってつくられた潜在意識を持ち、無意識に動かされている」
人は常に理性的な存在ではなく、把握できない潜在意識の影響を多分に受けているということです。
ついつい、思い込みがエスカレートしてしまうと、偏見や差別まで発展すると言われています。今は多様性が求められる時代。そこに適応していくためにも、自分のアンコンシャス・バイアスを認識することが大切になってきます。
そして、自分自身がアンコンシャス・バイアスにとらわれて、価値観が影響されてしまうことで、視野を狭め、世界を小さくしてしまうこともままるとされる…。となるとある意味、とても怖い事ですね。
どうして、アンコンシャス・バイアスが起こってしまうのか。
本書では、二つの理由が書かれています。
一つは、自分のこれまでの経験からこうに違いないと思い込んでしまうこと。
もう一つは、一昔前の過去の経験にとらわれてしまっていること。
自分の経験を基に、恐らくこうであろうとついつい決めつけてしまうこと、ありますよね。
環境を変えず、例えば同じところにずっと勤め続けていると、自分の当たり前を疑う機会を逸してしまうとも書かれていました。
私自身、非常に思いあたることがあってドキッとしました。
大学を卒業して、社会人へ。若い頃は親の影響を強く受けていました。
ほどほどに仕事をして、親の意向や世間体を考えて、20代で結婚する。
昔ながらの一般論の中で、自分の本当の気持ちには気づいていませんでした。
商社に勤めていて、葛藤がありつつも、結婚よりキャリア。
仕事の必要性から英会話を習いに行って、様々な国籍の先生に出会えたことが、
まさに最初のカルチャーショックでした。
アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどなど。
そこから中国に出張するようになり、一つの国とは思えないような土地柄や人々に触れたこと。
そして、遅い結婚により退職。
偶然から起業して、起業塾での学び、ビジネス交流会での出会い、他業種の方々と幅広くご縁をいただいたこと。
そういう意味では、好奇心を持って、飛び込んできたことにより、発見したものが多かったです。
様々なきっかけを通じて、新しい価値観に触れようになりました。
本では、具体的にどんなアンコンシャス・バイアスがあるのかも挙げられています。
日本特有のもの
人間関係の中にあるものなど、考えさせられることばかりです。
そして、そこから、タイトルにあるように、どうやって
「思い込みにとらわれない生き方」をするのかということが掘り下げられています。
傾聴という姿勢
是非お読みいただくとして、そこを参考に、私自身が日々感じて、心がけていることをお伝えします。
それは、素直に相手を受け入れるという姿勢で「聴く」ことです。
なぜなら、私はコーチング、カウンセリングのエッセンスから、特に「聴くこと」を行ったり、教えたりということを仕事にしているからです。
「聴く」ためには、思い込みを手放すことが非常に大切です。
こちらがジャッジしたり、そういう態度や雰囲気が相手に伝わったりすると、話を聴くことが途端にできなくなります。
こうであろう、こうに違いないと思うことはとても危険であり、お互いにとって望ましくありません。
シンプルに聴いてみることで、理解が広がり、深まる。
聴いてみて、私の無意識の思い込みが外せるというケースもあるので、非常面白いです。
そして更に、お相手も、思い込んでいたけれど、そうでもなかったみたいな発見も結構あります。
このようなやり取りはとても創造的で楽しいものです。
最初、たやすくはないかもしれませんけれど、やってみる価値があります。
トライしてみてくださいね。
最後に、本にもありました。
まずは、自分のアンコンシャス・バイアスに気づくことがスタート。
是非、本を読んでみて、検証されることをお勧めいたします。
人生100年時代になりました。
「自分はここまで良い」と思うことも一つのアンコンシャス・バイアスです。
自分の枠を決めて、縛るのではなく、柔軟に軽やかに歳を重ねていきたいですね。
以上
この記事を書いた人
やまと まさ子
ライフデザインコーチ。商社勤務時に、営業、秘書、輸出業務、育成などさまざまな業務を経験。あるきっかけで学びだしたコーチングが人生を変える。組織改善に効果的なコミュニケーションの質を変えるワークがエグゼクティブ層から支持を受け、業容を拡大中。多くのグローバル企業が導入する手法は、オリジナリティにあふれユニークなものばかり!